11月26日から27日未明にかけて、臨時国会は最高潮に達しました。
尖閣問題など内外の諸問題の処理を誤り続け、更には自衛隊を「暴力装置」と呼ぶなど不遜な態度が目に余る仙谷由人官房長官。
政府が公開を拒み続けてきた尖閣諸島沖の衝突画像を海上保安官によってネットに流され、情報管理能力の欠如を露呈した馬渕澄夫国土交通大臣。
この両大臣に対する問責決議案が、参議院に提出されたのです。
私、岡田直樹は本会議壇上で馬渕大臣問責決議案に賛成の討論をしました。深夜国会で私が登壇したのは、何と27日午前零時10分。しかし、われながら気合の入った、堂々たる演説だったと思います。
この夏、参議院選挙で頂いた民意が反映され、両大臣に対する問責決議案は多数をもって可決されました。これは参議院が仙谷長官、馬渕大臣を閣僚として認めないことを意味します。
両大臣はすみやかに辞職すべきなのです。さもなくば2人の出席する本会議や委員会に私たちは出席せず、そのことは菅直人内閣の崩壊につながるでしょう。
私の問責決議案賛成討論の全文は以下の通りです。
![MG_83682[1] 午前0時10分からの登壇。](http://okada-naoki.net/blog/wp-content/uploads/2010/11/MG_8368211-212x300.jpg)
午前0時10分からの登壇。
自由民主党の岡田直樹です。
私は自由民主党を代表して、国土交通大臣馬淵澄夫君問責決議案に対し、賛成の立場から討論を行います。
以下、本決議案に賛成する理由を申し上げます。まず初めに尖閣諸島沖で領海侵犯をした中国漁船が海上保安庁巡視船に体当たりをした事案に対する対応であります。
中国漁船による巡視船への衝突映像は、十一月四日夜、インターネットに流出し、十一月十日には神戸海上保安部所属の海上保安官が自分が流出させたと名乗り出ました。
本来であれば、事件直後に映像を政府が公開し、中国漁船がいかに危険な衝突を繰り返したかを、国民や諸外国に知らしめることが必要であり、それによって中国が数々の強硬な措置に出ることを、防ぎ得たと信じます。中国に過度に遠慮して公開をしなかったのは明らかに重大な判断ミスであります。
そのうえ、多くの国民が映像公開を求めているにもかかわらず、政府が映像の公開を拒み続けている間に海上保安庁内部から映像が流出したことは、政府の情報管理能力の欠如を全世界に露呈し、二重の意味で政府の失態を指摘せざるを得ません。
海上保安庁に端を発したこの問題により、同庁を所管する馬淵国土交通大臣は責任を取り、その職を辞すべきであります。
仙谷官房長官は記者会見で「政治職と執行職は責任のレベル、次元が違う」という趣旨の奇妙な論法で、馬淵大臣辞任論を打ち消そうとしましたが、その論法のどこに民主党の唱える「政治主導」があるのですか。海上保安庁長官のみに、責任を負わせ、馬淵大臣が責任を逃れるという「トカゲのしっぽ切り」を許すことは断じてできないのであります。
馬淵大臣は十月十八日に映像管理の徹底を指示されたと言われています。九月七日の衝突事件発生から指示までの間、一ヶ月以上、ずさんな映像管理が行われていたということは、映像の公開を求める立場からしても驚くべき事実であります。
映像は海上保安大学校のパソコンに保管され、一時は海上保安官なら誰でもアクセス可能であったとされます。情報管理について馬淵大臣の責任が強く問われねばなりません。
また、馬淵大臣の国会答弁も不誠実なものがあります。馬淵大臣は十一月十一日の参議院国土交通委員会で、神戸海上保安部の保安官が映像のインターネットへの投稿を打ち明けた第一報を九時四十分ごろ受けたにもかかわらず、昼休みになってようやく総理官邸に報告したと述べています。
ところが馬淵大臣は前日十一月十日の衆議院予算委員会では「保安官への事情聴取は昼休みに聞いた」と答弁していて、午前中に第一報を受けたことは話していなかったのであります。官邸への報告の遅さ、危機管理意識の欠如も問題ですが、国会答弁を一日で翻す、「大臣のウソ」と言ってよい、この誠意のなさも問責に値するものであります。
映像を流出させた海上保安官の行為は、公務員として容認できませんが、我が国の艦船に衝突してきた中国漁船の船長が釈放されているのに、保安官が逮捕されていたとしたら国民感情として不満は募るばかりであったでしょう。
海上保安官の行為は何故だったのでしょうか。海上保安官は昼夜を分かたず、「海を守り、国を守る」ひいては「日本国民の安全を守る」という気概と使命感をもって危険を顧みず、任務に就いているのです。
海上保安官の行為のただすべきはたださなければなりませんが、公務員として法を犯すことも覚悟して、映像流出に至ったのは、現場の仲間たちの士気を著しく低下させた自らの指揮官馬淵国土交通大臣をはじめ政府の事件処理が、無責任で拙劣極まりないものだったことに対する、ある種の「義憤」に駆られた行動だったのではないでしょうか。
尖閣諸島沖の我が国接続水域内では、中国の漁業監視船が我が物顔で航行しています。いたずらに中国を強気にさせた政府の拙劣な対応を批判するとともに、重ねて海上保安庁長官のみに責任を負わせるのではなく、政治家として国土交通行政の総責任者として馬淵国土交通大臣が責任を取るべきことを主張致します
八ッ場ダムについても申し上げます。十一月六日、馬淵大臣が建設現場を視察した際の発言は、これまでの建設中止の方針を変更する意味で私は了とします。
しかし、それだけで済ますわけには参りません。これまで、ダム建設のため、先祖伝来の土地を離れざるを得なかった現地の住民の皆さんに、政府はまず心からのお詫びをしなければなりません。
前原前国土交通大臣の中止宣言からこの一年余、ダム建設、ダム行政についての迷走ぶりは一体何ごとですか。十分な説明が必要であります。
負担金など予算面でも工事に理解を示して来た関東六都県にも納得のいく説明をすべきであります。
「コンクリートから人へ」。このスローガンは一体何だったのでしょうか。
民主党が昨年の衆議院選挙で高く掲げたこのスローガンは、今夏の参議院選挙では消えて無くなりました。
ダム建設に関わる住民、或いは「悪玉」扱いされた公共事業に携わる国民は、このことを決して納得しないでしょう。
今回の馬淵大臣の検証発言は民主党マニフェストにおける強引な建設中止の事実上の撤回ではないですか。
問題は公約の策定過程で、八ッ場ダムの必要性や現地住民の思いを徹底的に検証したあとが見受けられないことです。
今回の方針変更は、その評価はともかくマニフェストが一貫した考えによる政策では無いことが明らかになったことです。
高速道路料金無料化、ガソリン暫定税率の廃止等々は実現可能ですか。
思いつきの公約を掲げて選挙で訴えたことを深く反省すべきであります。
その結果が、この夏の参議院選挙の民主党敗北につながったのであります。
出来もしないマニフェストの最たる象徴が八ッ場ダム建設中止です。
前原前国土交通大臣は就任するとすぐに八ッ場ダムの建設中止を宣言しましたが、副大臣である馬淵現大臣は、前原前大臣の補佐役でありながら、建設中止に何ら言及していません。
大臣交代で簡単に政策転換をしたことは、生活や将来の人生設計を翻弄させられた住民の皆さんを無視した馬淵国土交通大臣の検証発言は無為・無策、無責任と断ぜざるを得ません。
国民の安全を守り、そして国土の保全に取り組むべき国土交通大臣としての職責を任せることが出来ない馬淵澄夫君の潔い辞任を勧告して私の賛成討論を終わります。