普天間基地問題で頭抱える鳩山首相

沖縄県名護市長選が1月24日に行われました。米軍普天間飛行場の移設受け入れに反対する候補が激戦を制しましたが、いま一番困っているのは鳩山由紀夫首相かもしれません。

選挙結果を受けて名護市辺野古への移転は困難になるでしょう。

しかし、5月末までに移転先を決めると言っても、どこが受け入れるでしょうか。

極端な例ですが、わが石川県が米軍基地を受け入れる可能性はゼロでしょう。住民の反対運動が起こって収拾がつかなくなることは明らかです。それは全国の都道府県どこも同じです。

すでに米軍基地のある山口県岩国市なども、普天間の訓練の移転先になることに強く反発しています。

ましてや米領グアムなど国外に移す自信が鳩山政権にはあるのでしょうか。普天間飛行場を辺野古に移すことを前提として沖縄にいる米海兵隊8000人をグアムに移転することになっているのに、普天間飛行場までグアムに引き取れと求めれば、日米の信頼関係が根本から崩れてしまう恐れがあります。

そもそも自民党政権時代、日米が積み重ねてきた合意は、日本周辺、東アジアの安定を守りながら、沖縄県民の基地負担を軽くするためのギリギリの交渉結果でした。当然、名護市も基地歓迎であるはずはなく、賛否両論に分かれながらも、前市長らが受け入れの姿勢を示してきたこと自体、たいへんな苦渋の選択だったのです。

結論を引き延ばし、真剣な検討もなく県外案、国外案をちらつかせ、かえって沖縄県民を翻弄したと言わざるを得ません。「基地は要らない」という反対派住民の気持ちも痛いほど分かります。それだけに、国が責任を持つべき問題のゲタを地元市長選に預けたのは無責任な罪作りというものでしょう。

今回の結果によって、この問題はますます袋小路に入り、下手をすると普天間飛行場はそのまま、海兵隊のグアム移転も進まないという最悪の事態が懸念されます。日本の外交、安全保障を現政権にゆだねることはできないという確信がますます強まってきました。