おかだ直樹の政策 2009

おかだ直樹の政策

【日本版グリーンニューディール政策を 平成21年年初に思う】

 かつてない厳しい年明けとなりましたが、正月早々、異例の1月5日から通常国会が開かれ、27日には第2次補正予算案が成立しました。定額給付金のほかにも、中小企業の資金繰り対策や雇用対策、高速道路の値下げなども含む緊急の補正予算にもかかわらず、民主党など野党の無意味な引き延ばしに遭い、成立が若干遅れたのは残念です。なおも野党が予算の執行に不可欠な関連法案の審議に応じないのは言語道断であり、国民生活を救うため、政府・与党は21年度本予算とあわせて速やかな成立に努力します。
  「百年に一度の危機」という言葉は聞き飽きましたが、それを突破するには大胆な発想の「チェンジ」が必要です。たとえば「公共事業悪玉論」にとらわれないこと。民主党やマスコミの大部分は「公共事業やめろ」の大合唱を続けてきましたが、公共事業を一律にムダと決めつけるべきではありません。今なお住民生活や産業振興に不可欠なインフラが未整備な地域も多いのです。

 そして深刻な不況の中では、国が財政出動によって需要を拡大し、雇用を創出することの意義は大きくなります。経済学者の小島寛之氏(帝京大准教授)は著書『容疑者ケインズ』の中で「格差社会においては公共事業の乗数効果は高まる」と記しています。小島氏はケインズ経済学に基づく景気対策には懐疑的な論者ですが、現在のように所得格差、地域格差が大きい時代にあっては、失業者に職を与え、疲弊した地方にお金をまわす公共事業はそれなりの効果を持つと考えるわけです。

 米国のオバマ大統領は「グリーン・ニューディール」を唱え、環境保全と一石二鳥をねらう大型景気雇用対策を打ち出そうとしています。環境・エネルギー政策がその目玉ですが、高速道路や橋など老朽化したインフラの整備更新も柱となっています。我が国も大胆な日本版グリーン・ニューディール政策を打ち出すべきです。

  「整備新幹線無用論」という固定観念もチェンジすべきでしょう。新幹線は環境面で優れた輸送機関であり、景気対策と兼ねて前倒しで投資する効果は大きいと考えます。昨年末、政府・与党は北陸、北海道、九州の各新幹線の延伸で合意しましたが、この際、更なるペースアップが望まれます。

 さて、「公共事業半減」を公約に掲げてきた民主党は今日の事態にどう対処するのでしょう。山形県知事選で民主党が支援した吉村美栄子氏が公共事業の追加・前倒しを訴えて当選したのは皮肉な出来事でした。もっと言えば、民主党の国会議員が自分の選挙区の道路について「ムダだからやめよう」と主張できるのか、はなはだ疑問です。

 むろん公共事業には財源が必要ですが、今日の非常事態を乗り切るには財政出動もやむなしと考えます。今の状況で財政再建を急ぐのは病人が無理なダイエットをするようなものです。「家が燃えている時には火を消すのが先決で、再建計画を考えている場合ではない」と言う人もいます。まず景気を立て直し、国民生活を安定させることが大事で、やがて日本が成長力を取り戻せば税収も回復し、財政再建も可能でしょう。

 いつでも「小さな政府」を唱える論者は、いつでも「大きな政府」を唱える論者と同じぐらい間違っていると思います。医療をはじめ社会保障を充実させて民心を安定させることと、社会資本として将来に残る公共事業で働く場を生み出すことは、景気回復の二本柱だと考えます。批判を恐れずに言います。これから当分の間は、「大きな政府」が必要な時なのです。